「先生、無視したでしょ」背後からの声が届かない私と、職員室の空返事。

こんにちは、おはしです。 今日は、私の「耳」にまつわる、学校でのちょっと切ない話を聞いてください。

私は小学校の教員をしています。 毎日子どもたちから「おはし先生!」と声をかけてもらえるのは、本当に嬉しいです。 でも、私には「感音性難聴」という特性があるため、日常のふとした瞬間に、意図せず相手を傷つけてしまったり、盛大に空回ってしまったりすることがあります。

突然の「無視したでしょ」事件

これまでで一番胸がギュッと締め付けられたのは、ある女の子から言われたこの一言でした。

「先生、さっき廊下で呼んだのに、無視したでしょ」

その子は少し俯き加減で、悲しそうな顔をしていました。 もちろん、私に無視するつもりなんて1ミリもありません。 でも、彼女からすれば「先生に声をかけたのに、返事もなく素通りされた」という残酷な事実だけが残ってしまったのです。

なぜ、こんなすれ違いが起きてしまうのか。 それは私の耳が、視覚情報(顔や口の動き)がない状態での『不意打ちの呼びかけ』に極端に弱いからです。

前から歩いてくる人なら、声が聞きとれなくても「あ、口が動いている。こっちを見ている。私に話しかけているな」と予測できます。 しかし、後ろからの呼びかけは、周囲の音にかき消され、「環境音」として通り過ぎてしまうのです。

「ごめんね、先生耳が悪くて、後ろからの声に気づけなかったんだよ」 と伝えました。     教員として一番申し訳なく、不甲斐なさを感じる瞬間です。

職員室に響き渡る「空返事」

「じゃあ、おはし先生はいつも人に気づかないの?」と思われるかもしれません。 実は、その逆の悲劇も頻繁に起きています。

子どもを傷つけてしまった経験などから、「絶対に無視しちゃいけない!」という難聴者なりの防衛本能が働くようになりました。 その結果、どうなったかというと……。

ある日の、ガヤガヤと騒がしい放課後の職員室でのこと。 遠くの方で「〇〇先生ー!」と同僚の先生が呼びかける声がしました。 音量は十分でも、声はハッキリと聞き取れません。 でもその瞬間、遠くにいるその先生と、パッと目が合った(気がした)のです。

私の脳内コンピューターは瞬時に計算します。 (遠くから声がした! そして目が合った! ということは、今呼ばれたのは私だ!!)

私は、相手を待たせてはいけないと特大のサービス精神を発揮して、 「はいっ!!」 と、元気よく返事をしました。

……しかし、その先生が申し訳なさそうに言ったのは、 「あ、ごめん。○○先生呼んだの💦」

……えっ!? 私じゃないの!!? あの、見当違いの元気な返事が職員室に響き渡った後の、なんとも言えない気まずさ。 穴があったら入りたい瞬間です。😭

常に「クイズ」を解いている状態

「後ろから呼ばれて気づかない(無反応)」と、「遠くから呼ばれて勘違いで返事してしまう(過剰反応)」。 まったく逆の失敗に見えますが、実はこれ、原因は同じなんじゃないかと思います。

どちらも、「少ないヒントから、必死に『会話のクイズ』を解こうとしている結果」です。 聞こえないからこそ、一生懸命アンテナを張って、時に空回ってしまう。 難聴者あるある、と言えるかもしれません。

もし、皆さんの周りに「声かけても全然気づかないな」という人がいたら、もしかするとその人は、悪気なく「音を素通りしてしまっているだけ」かもしれません。 そんな時は、どうか諦めずに、視界に入るように手を振ったり、ポンポンと優しく肩を叩いたりして教えてあげてください。 そうしてもらえるだけで、私たちは「無視してしまった!」という罪悪感から救われますし、職場で盛大な空返事をするリスクも減ります😂

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