こんにちは、おはしです。 今日は、私の「耳」にまつわる、ちょっと切なくて、でも私たち夫婦にとってはとても大切な「車の中」での事件を聞いてください。
突然ですが、皆さんは「ドライブ」と聞いて、どんな空間を想像しますか? お気に入りの音楽をBGMに、同乗者と楽しくおしゃべり……楽しい時間ですよね。私も、結婚前に妻のちゃわんとドライブに出かけた時は、そんな時間を夢見ていました。
隠していた「超高難易度リスニングテスト」
付き合いたての頃、私は自分の「感音性難聴」について、ちゃわんに詳しく説明できていませんでした。 「かっこ悪いところを見せたくない」「せっかくの楽しい空気を壊したくない」 そんな見栄もあって、私は車内という空間が、難聴者にとって「超高難易度のリスニングテスト」状態であることを必死に隠し通そうとしていたのです。
車の中は、ロードノイズやエンジン音など、常に低く大きな音が響いています。
おまけに、カーステレオからはBGM。 私の耳には、すべての音がぐちゃぐちゃに混ざり合い、ちゃわんの声はまるで「砂嵐の中の小さなつぶやき」のようにしか聞こえていませんでした。
限界の車内と、突き刺さった一言
それでも私は、必死に会話に食らいつこうとしていました。 聞こえない部分を前後の文脈から必死に「予測」して相槌を打つ。でも、やっぱり限界があります。
「え? ごめん、もう一回言って」 何度も聞き返してしまう申し訳なさ。予測が外れて、全く噛み合わないトンチンカンな返事をしてしまう気まずさ。
どんどん車内の空気が重くなっていくのを感じながら、ついにちゃわんから、決定的な一言を言われてしまいました。
「ねえ……私の話、聞いてる?」
ちゃわんの顔は、怒っているというより、悲しそうでした。 悪気は1ミリもないのに、大切な人を「自分に興味がないのかな」と不安にさせてしまったのです。
カーステレオの電源を切った日
「このままじゃ嫌われてしまう!」 焦った私は、ついに見栄を張るのをやめ、すべてを打ち明けることにしました。
「ごめん! 話を聞いていないんじゃなくて……実は車の中だと音が重なって、声がすごく聞き取りにくいんだ。口の動きも見えないから、どうしても勘違いしちゃって……」
ひかれるかもしれない、と冷や汗をかきながらの告白でした。 しかし、ちゃわんの反応は私の予想とは全く違いました。
「なんだ、そういうことだったんだ!」 そう言うと、ちゃわんはスッと手を伸ばし、カーステレオの電源をバツンと切ったのです。
音楽が消え、ロードノイズだけが響く車内。世間一般の「楽しいドライブ」からは、少し外れてしまったかもしれません。 でも、BGMがなくなった車内は、ちゃわんの声が格段に拾いやすく、私にとって信じられないほど安心できる場所だったのです。
「二人の正解」と、たまの熱唱
あれから数年。結婚して夫婦になった今でも、我が家のドライブは、基本的に音楽無しがスタンダードです。
……とはいえ! ずっと静かにしているわけでもありません。 たまに長距離ドライブで猛烈な眠気が襲ってきた時なんかは、眠気覚ましにカーステレオを大音量にして、二人で大声で熱唱することもあります😂
「聞こえにくいけど、自分が大声で歌う分には関係ない!」という、ある意味での開き直りです(笑)
「同じ音楽を聴きながら語り合う」ことは難しいかもしれません。 でも、無理をして世間の「普通」に合わせるのではなく、弱さを打ち明けて、静寂も、時には大騒ぎも楽しめる「心地よい形」を見つけること。 あの日の「無音のドライブ」は、私たち夫婦にとって一番大切な「共同作業」だったのかもしれません。
もし、皆さんの助手席に乗っている人が何度も聞き返してきたり、的外れな返事をしてきたりしたら……それは話を聞いていないのではなく、必死に「音の砂嵐」の中であなたの言葉を探している最中なのかもしれません。
そんな時は、どうか少しだけボリュームを下げて、ゆっくり話しかけてもらえると嬉しいです! 皆さんは、車の中での会話、どうしていますか? ぜひ教えてください!


コメント
私も「無音のドライブ」は鉄則です。さらに助手席と反対の右側の補聴器のボリュームを若干下げると、エンジン音などの雑音がより静かになって、助手席の方の声を拾いやすくなります。おはしさんに通用する策かどうかわかりませんが、いかがでしょうか。