「学校=静か」は幻想?
小学校と聞くと、「静かに勉強する場所」「静かに先生の話を聞く場所」
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも実際の学校は、いろんな音であふれています。
子どもたちの声、足音、机やイスを引く音。
放送、チャイム、コピー機、電話のベル。
一日中、何かしらの音が鳴っています。
私は感音性難聴です。
音は聞こえていても、言葉がはっきり聞き取れません。
複数の音が重なると、一気に聞き取りづらくなります。
教員になってから、
「この場所、正直きついな……」
と感じる場所が、だんだんはっきりしてきました。
今回は、感音性難聴の私が、小学校で特に苦手だと感じている場所を5つ紹介します。
① 職員室|大人ばかりで静かと思いきや
子どもが入ってくることはまれですが、放課後の職員室はにぎやかなことも多いです。
先生同士の打ち合わせや、情報交換の声、電話の話し声、コピー機やプリンターの音。
あちこちからいろんな音が聞こえます。
さらに困るのが、背後や遠くからの声かけ。
「ちょっといい?」
と声をかけられても、気づかないこともあります。
会話中、何度も聞き返すと申し訳ない気がして、つい分かったふりをしてしまうことも。
あちこち話がとぶ雑談も苦手です。
子どもと話している時とはまた違いますが、じわじわ心が削られる場所です。
② 体育館|反響音に、言葉がのみ込まれる
体育館は、音が反響します。
空間が広いのでマイクを使うこともありますが、声が割れたり、こもったり。地声でも意外と反響します。
全校集会や行事では、周囲のざわつきも加わります。
集会中に急ぎの用事で小声で話しかけられることもありますが、ほぼ100%聞き取れません。
体育館を使う時は、たいてい子ども達や教員がたくさんいることが多いので、周りのちょっとした音で言葉が埋もれてしまいます。
相手が大人でも子どもでも、至近距離に近づき、何度か聞き返してなんとか会話が成立する。そんな場所です。
③ プール|音も視覚情報も失われる場所
水の音、子ども達の声、風の音で聞き取りが難しい場所です。
笛の音は高音で聞き取れません。
水の中に入ると、外の音は聞こえません。
しかも、プールに入ると口元が見えない。
視覚情報も頼れなくなります。
子ども達の命を預かる場所なので、他の場所以上に神経をつかいます。
毎回、気合を入れて臨む場所です。
④ 運動場|距離があると声が届かない
運動場は広いです。
声は風に流されて届きません。
大声で呼ばれていても聞こえないこともあります。
授業中も、子ども達との距離が遠くなりがちです。
先生同士で行事の準備をしている時などは、周囲を見て、空気を読んで、行動を合わせる。
そんな場面が多くなります。
⑤ 廊下|一瞬の会話が、聞こえない
廊下での会話は、一瞬です。
すれ違いざまの一言。
背中越しの声かけ。
周囲のざわめき。
休み時間ともなれば何十人という子ども達の足音や話し声があちこちでとびかっています。
「今、なんて言ったんだろう?」
と思った時には、声をかけてくれた子どもはどこかへ行ってしまっていることも。
おそらく後から改めて聞き返すほどでもない雑談がほとんど。
でも、無視されたと感じる子どもも中にはいるかもしれません。
こうした小さな「聞こえなかった」が、意外と心に残ります。
おわりに
今回挙げた5つの場所は、どれも学校では毎日のように訪れる場所です。
でも、感音性難聴の私にとっては、ストレスの多い場所でもあります。
私と同じように感じている難聴の教員や子ども達は、世の中にきっとたくさんいると思います。
聞こえているようで聞こえていない。
「見えない困りごと」があるということを、知ってもらえたら嬉しいです。



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