【補聴器買い替え日記④・第2の相棒候補】「フォナック返却!シグニアの補聴器がやってきた」

前回の記事では、70万円のハイテク機「フォナック・インフィニオ」を小学校の教室へと連れ出した【現場検証編】をお届けしました。聞こえの自然さと、丸一日つけても疲れない最新OSの知能には本当に感動したのですが、私の買い替えの旅はここで終わりません。

耳鼻科の先生の「せっかくの機会だから、別のメーカーの聞こえ方も試して比べてみましょう!」というありがたい提案により、フォナックは一度返却。

そして今回、第2の相棒候補として私の元にやってきたのが、世界的な大手メーカー「シグニア(Signia)」の補聴器です! メーカーが変わると、聞こえの世界はどれほど変わるのか? 贅沢な「補聴器のハシゴ試聴」で感じたリアルな違いをお届けします。

待望のブラックと驚きの価格帯

ケースを開けた瞬間、思わず「おっ!」と心の中で声を上げてしまいました。今回お借りしたシグニアの補聴器、色がブラックだったのです!

最初のフォナックがシルバーで、長年愛用したワイデックスの黒に比べて少しテンションが下がってしまっていた私にとって、この見た目は大ストライク😂耳の後ろに隠れる部分とはいえ、毎日身につけるものなので、自分が気に入った色であるかどうかはめちゃくちゃ大事です。形もなんだかシャープでいい感じ。しかし、喜びも束の間、パンフレットに書かれた価格表を見て目玉が飛び出そうになりました。

今回試すのは「シグニアIX」というシリーズ。140年以上の歴史を誇る補聴器ブランドです。歴史があるだけに信頼性も抜群です。シグニアIXには以下の5つのクラスが存在します。以下、いただいた総合カタログから抜粋した情報です。(2026年6月現在)

  • バリュー(基本性能を搭載 両耳:384,000円)
  • ベーシック(屋内外の快適さを重視 484,000円)
  • スタンダード(テレビや電話もクリアに聞こえる 584,000円)
  • アドバンス(ワンランク上の聞こえを実感 両耳:864,000円)
  • プレミアム(最上位クラス 両耳:1,264,000円)

一番下のクラスとトップクラスで、なんと90万円近い差があります。プレミアムは両耳で100万円越えです。そして今回私がお借りしたのは、上から2番目の「アドバンス」クラス(両耳で864,000円)。前回のフォナック(約70万円)より、さらに高価格です。ふたたび「絶対に紛失できない……!」という緊張感を胸に、お試しがスタートしました。

スイッチON!自分好みに調整してもらうものの……

さっそく両耳に装着し、運命のスイッチON。つけた瞬間の聞こえ方としては、特に違和感はありませんでした。

ただ、前回のフォナックと同じような音のバランスに調整してもらったはずなのですが、私の耳だと、どうしても若干「高音部分」が聞き取りにくく感じてしまいます。そこで高音部がもっと聞こえやすくなるようにその場で再調整をしてもらいました。

調整を重ねていくと、音がクッキリとしてきたのですが、同時に「ほんの少し、機械を通したような音」に聞こえる感覚もありました。フォナックが「つけているのを忘れるほど自分の耳に近い自然さ」だったのに対し、シグニアは「補聴器がしっかりと音を届けてくれている」という確かな手応えを感じました。

自宅での小さな違和感と、学校でのしんどさ

この小さな音質の差が、生活の中で大きな違いとなって現れました。

家に帰って、妻のちゃわんと話をしたときのことです。ちゃわんは一般的な大人の女性と比べても「高い声」をしています。高音を強めに調整してもらったせいか、ちゃわんの声がいつもとは別人のように聞こえる瞬間が度々ありました。

そして、職場である小学校の教室へ持ち込むと、その違和感は決定的なものになりました。

学校の中には、チャイムや子どもの声などさまざまな音が溢れていますが、このシグニアをつけていると、いろんな音がとにかく「響く」ように感じてしまったのです。

特にしんどかった場面が2つあります。

1つ目は、子どもたちが授業のはじめと終わりに一斉に椅子を動かす「ガガガッ!」という音。

2つ目は、給食の時にクラス全員で一斉に「いただきます」「ごちそうさまでした」と言う声。

これらの音がもの凄いボリュームで耳の奥に響き渡り、正直に言うと、丸一日つけて働くにはかなり体力を消耗してしまいました。フォナックの時は優しく丸め込んでくれていた「周囲の雑音」や「高い声」が、シグニアのパワフルさによって、ダイレクトに届いてくるような感覚でした。

補聴器選びは「好みと相性」

こうして書くと「シグニアはダメだったの?」と思われてしまうかもしれませんが、決してそういうわけではありません。

難聴と一口に言っても、言葉の聞き取りやすさや、不快に感じる音の種類は本当に人それぞれです。音の聞こえ方には100人いれば100通りの「好み」があり、補聴器にはどうしても「合う・合わない」の相性が存在します。

私にとってはフォナックの「静かで自然な世界」が快適でしたが、耳鼻科の先生の話では、「フォナックよりも、音がハッキリ立ち上がるシグニアの聞こえ方の方がいい!」と言って選ばれるお客さんもたくさんいらっしゃるそうです。長い歴史の中で培われた「言葉の聞き取りやすさ」へのアプローチが、まさにハマる人にはバチッとハマるんですね。

見た目は大満足だったシグニアですが、私の耳と、私が働く教室の環境においては、少し元気すぎる相棒だったのかもしれません。こればかりは、実際に現場に持ち込んで「ハシゴ試聴」をしてみなければ絶対に分からなかった貴重な気付きでした。

さて、2大メーカーの最新機種を体験し、それぞれの個性を身をもって知った私。 頭の中をぐるぐると巡るのは、フォナックのあの「極上の自然さ」でした。「やっぱり、あの静かな聞こえ方が自分には合っているのかもな……」と。シグニアの補聴器も、何度も調整すれば自分好みの聞こえに近づけていくことはできると思うのですが、一度の調整でピタッとはまったように感じたフォナックの方にだんだん気持ちが向くようになりました。

けれど、そこで立ちはだかるのが「両耳で70万円超え」という現実的な予算の壁です。

欲しいけれど、高すぎる。 そんな私の葛藤を相談したところ、耳鼻科の先生がさらなる提案をくれました。

「おはしさん、それなら、フォナックの『少し下のグレード』を試してみるのはどうですか?」

次回、【補聴器買い替え日記⑤・現実的な選択肢編】「フォナック再び!一つ下のグレードを試してみたリアルな感想」

果たして、価格を抑えたモデルは私の耳と、あの騒がしい小学校の教室にマッチしてくれるのでしょうか? ついに買い替えの旅が大きく動き出します。次回もどうぞお楽しみに!

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