これまで5回にわたってお届けしてきた「補聴器買い替え日記」も、いよいよ今回で最終回を迎えます。
故障した8年目の相棒・ワイデックスの修理相談から始まり、最新技術の進化に驚かされ、2つのメーカー、合計3種類の補聴器のハシゴ試聴を繰り返してきました。性能、自分の耳との相性、そしてお財布事情……いろんなことを考えながら、私はついに、これからの生活を共にする相棒を決定しました。
今回は、私が悩み抜いた末に下した運命の決断と、その理由についてお話しします。
私が選んだ、これからの相棒
結論からお伝えします。 私がこれからの教員生活、そして日常を共に歩むために選んだのは、最初に試したフォナック(PHONAK)の「インフィニオシリーズ・スタンダードクラス」(両耳で約70万円)です。
最後の最後まで、エッセンシャル(一つ下のグレード)と本当に悩みました。静かな場所でつけた瞬間の「自然な聞こえ方」自体は、私の聴力では正直そこまで大きく違いがわからなかったからです。
では、なぜ私は20万円も高い「スタンダードクラス」に決めたのか。理由はいくつかありました。
音の抑制と疲労感
一番の決め手は、大きな音や声の抑制機能の違いです。給食のとき子ども達から「いただきます!」「ごちそうさまでした!」の声が上がったとき、その音を優しく抑え込んでくれたのは、間違いなくスタンダードでした。そして、耳にとびこんでくる雑音が少ないからか、丸一日補聴器をつけ続けた後の疲労感が少なかったのも、スタンダードだったのです。
ただ、前にもお話したように、難聴の耳はとてもデリケートで、その日の体調や睡眠不足、気圧の変化によって音の聞こえ方が変わってしまいます。だから、これが機種のスペックの差なのか、それとも私の体調のせいだったのか、はっきりとした判断はできません。
「小学校教員だから」という理由
両耳で70万円。大金です。 私は中等度難聴で、現在のところ、静かな場所で家族や友人と話す分には、「補聴器をつけなくてもなんとかならないこともない」と思います😂仕事中も、職種によってはここまで高額な補聴器でなくても、十分に事足りたかもしれません。
でも、私の仕事は小学校の教員です。 学校という場所は、とにかくチャイム、子どもの歓声、机を引く音など、あらゆる音にあふれています。この環境で戦う私にとって、「大きな音や声を抑える機能」は心身の健康を保ち、仕事を続けるために必要不可欠です。
そして何より、子どもたちの声は、少しでもクリアに、少しでも多く拾える方がいいです。授業中の小さな気づきの声、SOSの呟き、それらを聞き逃したくないなという気持ちがありました。
数年後の聞こえを見据えて
もう一つ、補聴器を買うにあたって思い出したことがあります。それは、以前耳鼻科の先生に言われた「短期間で急激に悪くなる可能性は小さいけど、加齢で少しずつ悪くなっていくよ。」という言葉です。
実際、私は子どもの頃は軽度難聴でしたが現在は中等度。ここ数年だけをふり返っても、聴力検査の数値はあまり変わりませんが、言葉の聞き取り能力が落ちているのを感じます。
急激に進行するわけではなくても、私の聴力はこれからも少しずつ、緩やかに低下していきます。だからこそ、今このタイミングで、その変化をカバーできるだけの余力を持った補聴器を持っておきたい、と考えました。これからさらに聞こえにくさが増したとしても、しっかりと私の耳を支え、長く寄り添ってくれるはずだという安心感が欲しかったのです。
後悔したくないから、今できる最高の選択を
仕事で疲れがたまった時や、聞き取れなくて困った時など、「いつまで今の仕事を続けられるだろうか」と、自分の聞こえの衰えや働き方について、不安になることがあります。
だからこそ、思いました。 「長くはできないかもしれないから、今しか聞けない音をたくさん聞いておこう」と。
大金を出して買った後に「やっぱりスタンダードにしておけばよかった」と後悔するのは嫌でした。
少しずつ悪くなっていく自分の耳を悲観するのではなく、新しい相棒と一緒に、今できる最善を尽くしていきたい。そう決意させてくれる買い替えとなりました。
長くなりましたが、私の「補聴器買い替え日記」を最後まで見守ってくださり、本当にありがとうございました。みなさんも補聴器をお探しの際は、ご自分の聞こえに合った補聴器に出合えるよう、じっくり探してみてください!
ちなみに新しい補聴器はすでに注文済みで、もうすぐ手元に届く予定。今から楽しみです!😄


コメント