感音性難聴の私が苦手な場所5選(私生活編)

「大丈夫、普通に話せてるよ」
難聴のことを伝えると、そう言われることがあります。

確かに私は、静かな場所で向かい合っての会話ならなんとか成り立ちます。
でも生活していると、複数の音が重なったり、距離があったり、急に話しかけられたりすることの連続です。

前回は、私の職場である小学校の中で、聞き取りが難しい場所について書きました。
今回は感音性難聴の私が、私生活の中で特に苦手だと感じている場所を5つ、書いてみようと思います。


① 居酒屋

居酒屋は、いろんな音で溢れています。
周りの人の話し声、店員さんの声、食器の音、BGM。
お酒の場ということで、リラックスして大きな声で話している人も多いですよね。

感音性難聴の私は、すべての音が同時に耳に入ってきて、うるさいくらい耳に届いているのに、肝心の目の前の会話がまったく聞き取れなくなります。

お酒が入って酔っぱらってくると、話題もあちこちとびがちです。
「え?」と聞き返すと、
「いや、もういいよ」と話が進んでしまうことも少なくありません。

周りに合わせて笑っているけれど、実は内容がよく分かっていない。
その場にいるのに、少し置いていかれる感覚。
楽しいはずの時間が、ひたすら耐えて疲れる時間になってしまいます。


② レジ(スーパー・コンビニ)

レジでのやりとりは短いですが、意外と難易度が高いです。
店内のBGM、人の話し声。
店員さんはマスクを着けていて、早口なことも多いです。

「ポイントカードはお持ちですか?」
「レジ袋はご利用ですか?」

通い慣れたお店はだいたい聞かれることや順番が決まっているのでいいですが、初めてのお店だととまどうことが多いです。

聞き取れず、反応が一瞬遅れてしまうと、後ろに人が並んでいるプレッシャーも相まって、焦ります。

「聞こえませんでした」と言うほどの会話でもないので、曖昧な返事をして終わらせてしまうことも。

ちなみにお会計の金額は必ずレジの画面を見て確認するようにしています。
小さなストレスが積み重なる場所です。


③ 病院・歯医者

病院や歯医者は、聞き逃してはいけない情報が多い場所です。
受付での説明、診察室での呼び出し、医師の説明。

しかも他の場所と違い、もれなく全員マスクをしています。
マスクをしていると表情や口の形が見えず、声がこもって聞き取りにくくなってしまいます。

呼び出しの時には、名前を呼ばれていることに気づかず、
周りを見て初めて「自分だった」と分かることもあります。

医師の説明は専門用語も多く、何度も聞き返すと診察の流れを止めてしまいそうで、
「分かったふり」をしてしまうことも正直あります。

本当はしっかり理解したいのですが、聞き返すのに勇気がいる場所です。


④ 美容院

美容院は、逃げ場のない空間です。
美容師さんと近い距離ではありますが、後方から話しかけられることが多いですし、ドライヤーの音やほかの人の話し声、BGMが重なる中での会話です。

「今日はどうしますか?」
「このくらいの長さで大丈夫ですか?」

といった髪型についてのやり取りはまだいいのですが、切ってもらっている最中の雑談が苦手です。

聞き間違いが不安で、つい曖昧な返事をして会話を終わらせてしまったり。
正直話さない方が楽なのですが、無言は無言で少し気になったり。

リラックスする場所のはずなのに、ずっと気を張りつめている。
そんな時間になってしまうことがあります。


⑤ 込み入った説明を聞く場所(スマホショップ・カーショップ・不動産屋など)

プラン説明、契約内容、注意事項などなど。
病院と同じように、理解しないといけない話が長く続く場所はとても苦手です。

相手は丁寧に説明してくれている。
でも、途中で聞き取れなかった部分があると、
そこから話の流れが分からなくなります。

契約書などを文章で見られる時はよいですが、言葉だけの説明だと、話についていくのが難しいことも多いです。

大金を支払うことも多い場所なので、本当に重要だと思う箇所についてはがんばって聞き返すのですが、
「もう一度お願いします」と何度も言うのが申し訳なくて、結果的に理解が曖昧なまま話が終わってしまうこともあります。


おわりに

この記事で紹介した場所は、誰もが自然に、日常的に通う場所だと思います。
でも、難聴者にとっては、「少し気合いを入れないといけない場所」でもあります。

この記事では紹介しきれませんでしたが、言葉が「聞き取りにくい」だけで困る場面が他にもたくさんあります。

聞こえにくさは目に見えない困りごとです。
職場でも、私生活でも、変わったところがないように見えても、実は必死で状況を追っていることがあります。

この記事が、聞こえづらい人のことを想像するきっかけになれたら嬉しいです。

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